2026年度 最終更新日:
不定期に開催しています.講演によって 講演会場 (教室) や講演時間帯が変更となる場合があります ので,講演会に参加される際は各回の講演会場を良くご確認の上お越し下さい.また,講演会の世話人は毎回変わりますので,個別の講演会に関するお問い合せは担当の世話人宛にお願い致します.
※講演会の 実施時間が変則的となっております のでご注意下さい.出席予定の講演会の 実施時間帯を直前に確認されることを強くお薦めいたします.
東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室
吉川 翔 氏 (東京科学大学)
Hodge--Tate splitting and Akizuki--Nakano vanishing
\( X \) を標数 \( p>0\) の滑らかな射影多様体とする. \( X \) が \(W_2\)-liftableであり,かつ \( p \) が \( X \) の次元より大きいとき,Deligne--IlussieによってAkizuki--Nakano型の消滅定理が証明されている.この消滅定理は,複素多様体論では基本的かつ強力な消滅定理である一方,正標数では一般に成立しないことが知られている.またPetrovにより,Xがquasi-\( F \)-splitと呼ばれるsplitting conditionを満たす場合にも,同様の消滅定理が成立することが知られている. 本講演では,Hodge--Tate splitting と呼ばれる新しい splitting condition を導入し,この条件から Akizuki--Nakano 型の消滅定理が従うことを説明する.さらに,単純正規交差(SNC)対に対するその log 類似についても紹介する.また,(log) Hodge--Tate splitting がどのような幾何学的操作のもとで保たれるかを議論し,その応用として Akizuki--Nakano 型消滅定理が成立する新たな例を紹介する.
世話人: 中島幸喜
東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室
田島 凌太 氏 (九州大学)
A \( p \)-adic constant for mock modular forms associated to a newform with real Fourier coefficients
\( F_+ (q) \) を正規化新形式 \( g \) に付随するモックモジュラー形式とする。K. Bringmann, P. Guerzhoy, B. Kaneの三人は、\( F_+(q) \) を、\( g(q) \) と \( g(q^p) \) の形式積分の適切な線形和で補正することにより、\( p \) 進モジュラー形式の \( q\) 展開が得られることを示した。このとき補正項に現れる係数は、モックモジュラー形式の \( p \) 進理論を理解する上で重要であると考えられるが、未解明な部分も多く残されている。例えば、K. Bringmannらは補正項に現れる \( g(q^p) \) の係数 \( \delta_g \) が \( 0\) になり得るかを問題として提起したが、この問題に対する既知の結果は、主に \( g \) が楕円曲線に付随する場合に限られていた。特に、\( g \) の重さが\( 4\) 以上の場合には、\( \delta_g \neq 0 \) となる \( g \) の例は 1 つしか知られていなかった。講演者は一般重さの \( g \) に対して、\( g \) のFourier係数が実数であれば、比較的緩やかな仮定のもとで \( \delta_g \neq 0 \) が成り立つことを証明した。先行研究では、主に楕円曲線の形式群を用いて \( \delta_g \neq 0 \) を示していたが、講演者は、L. CandeloriとF. Castellaが用いたモジュラー曲線のコホモロジー理論を用いることで、\( g \) の重さが \( 4 \) 以上の場合に結果を得ることに成功した。本講演では、モックモジュラー形式の \( p \) 進的な性質に関するこれまでの研究を紹介したのち、講演者の結果とその証明について説明する。
世話人: 千田 雅隆・並川健一
東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室
佐藤 謙 氏 (千葉大学)
Higher Chow cycles on certain surfaces and their images under the Beilinson regulator map
Blochは,代数多様体に対して,古典的なChow群の一般化である高次Chow群と呼 ばれる不変量を定義し,種々の良い性質を満たすことを示した. 多様体が滑らかなとき,高次Chow群はモチヴィックコホモロジーと同型であり, 代数的\( K \) 群のサイクル側の対応物と見なせるが,古典的なChow群と同様,余次 元が \( 2 \) 以上の場合は一般に計算が困難である. 本講演では,\( K3 \) 曲面をはじめとするいくつかの曲面に対して,\( (2,1) \) 型の高 次Chowサイクルを幾何的な手法により具体的に構成し,Beilinsonレギュレータ ー写像による像の計算を通じて,構成したサイクルが非自明であることを証明す る.
世話人: 千田 雅隆・並川健一
東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室
Bryden Cais 氏 (Arizona大学)
Geometric unramified Iwasawa theory for function fields
I will describe a novel Iwasawa theory for unramified abelian pro-\(p \) extensions of global function fields over an algebraically closed field of characteristic \( p \). In this context, the \( p \)-adic slopes of Frobenius acting on the first crystalline cohomology of the associated tower of algebraic curves provide a new kind of Iwasawa-theoretic object to study, and I will explain an analogue of Iwasawa's theorem in this setting, which ensures that these slopes behave in an asymptotically predictable way. Time permitting, I will describe a "\( \mu =0 \)" type conjecture in this setting.
世話人: 千田 雅隆・並川健一