東京電機大学 数学講演会

Tokyo Denki University Mathematics Seminar

2017年10月7日 更新

東京電機大学 工学部・未来科学部・システムデザイン工学部 数学系列では,この度「東京電機大学数学講演会」を開催することとなりました.

当面は不定期に開催致します.講演毎に 講演会場 (教室) が変更となる場合もあり得ます ので,講演会に参加される際は各回の講演会場を良くご確認の上お越し下さい.また,毎回講演会の世話人が変わりますので,個別の講演会に関するお問い合せは担当の世話人宛にお願い致します.

次回以降の講演会

第7回講演会     2017年10月31日 (火)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

瀧 真語 氏   (東海大学理学部)

講演題目

K3 曲面と対数的有理曲面

講演概要

与えられた多様体が対称性を持っていれば,それはその多様体を調べる良い手がかりになるだけではなく,時にはより広い数学の姿を私たちに見せてくれることがあります.この講演では,K3曲面の対称性を表す有限自己同型とその商曲面についてお話ししたいと思います.

世話人: 三鍋 聡司

今後の開催予定

※ こちらに記載されている講演日時および予定会場は,已むを得ぬ事情等により変更となる可能性がございます.出席される方は,講演会直前に最新の情報をご確認下さい.

過去の講演会

2016年度の講演会の記録は こちら です.

第1回講演会     2017年5月22日 (月)   10:00 — 11:30 開催(通常の時間帯と異なります!)

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

臼井 三平 氏   (大阪大学)

講演題目 (英語/日本語)

Log mixed Hodge theory and geometry / 対数的混合ホッジ理論と幾何学

講演概要 (英語/日本語)

A log mixed Hodge structure is an extension of a variation of mixed Hodge structure added by nilpotent orbits over boundary points of the parameter space. For a fixed Hodge type and a fan, these nilpotent orbits are well bound to make up a fine moduli of log mixed Hodge structure. Via integrals, we observe the relations between log mixed Hodge structure and geometry, such as monodromy, modular forms, Taylor expansions at base points at infinity, in the cases of elliptic curves and mirror quintic threefold. We have an advantage to use local coordinate centered at point at infinity.

対数的混合ホッジ構造とは,混合ホッジ構造の変動を,パラメーター空間の境界に冪零軌道を付け加えることによって拡張したものである.ホッジ型と扇という情報を指定すれば, その精密モジュライを構成できる.講演では,楕円曲線や5次超曲面のミラー多様体の場合に,積分を通して,対数的混合ホッジ構造と幾何学 (モノドロミー,モジュラー形式,無限遠におけるテイラー展開など) との関係が観察できることを説明する.無限遠点における局所座標が使える点が,対数的混合ホッジ構造の利点である.

世話人: 三鍋 聡司

第2回講演会     2017年6月8日 (木)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

郡田 亨 氏   (名古屋大学大学院多元数理科学研究科)

講演題目

Lichtenbaum コホモロジーの Deligne-Beilinson サイクル写像

講演概要

非特異射影的代数曲線の因子類群の次数ゼロ部分からヤコビ多様体への準同型であるアーベル・ヤコビ写像が同型であるというアーベルとヤコビによる定理は様々な方向へ一般化されている.複素数体上ではアーベル・ヤコビ写像は Deligne-Beilinson サイクル写像の制限として理解される.本講演では,エタール降下を満たすモチビック・コホモロジーである Lichtenbaum コホモロジーに Deligne-Beilinson サイクル写像を拡張し,その性質を調べる.例えば,因子類群の代わりにコンパクト台付きモチビック・コホモロジーを用いれば,アーベル・ヤコビの定理と Lefschetz の定理が任意の連結複素代数多様体について成り立つことがわかる.

世話人: 杉山 倫

第3回講演会     2017年6月20日 (火)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館 2階 5204セミナー室 (第1回,第2回の部屋と異なります!)

東京電機大学 千葉ニュータウンキャンパス   教育棟 (1号館) 4階 404教室 (テレビ中継)

講演者

工藤 桃成 氏   (九州大学大学院数理学研究院)

講演題目

計算代数幾何学入門   —超特別曲線の決定・数え上げ問題を例に—

講演概要

本講演は2部構成であり,前半では主に学生向けに講演者の研究分野の概要を紹介し,後半では講演者らによって最近得られた研究成果を発表する.

前半の概要

本講演の前半では,これから本格的に研究に取り組む学生を主な対象として,講演者の研究分野である計算代数幾何学 (Computational Algebraic Geometry) の紹介を主な目的とする.現代の情報化社会において,数学ソフトウェアは数学研究・教育のみならず幅広い分野において問題解決のツールとして汎用的になっている.数学ソフトウェアを利用した問題解決においては,数学的知見に基づくアルゴリズムの開発・改良・高速化が重要である.アルゴリズムを開発する分野の1つである計算代数幾何学では,代数幾何学における問題を解くための計算手法を研究する.本講演では,計算代数幾何学において基本的な道具の1つである「グレブナー基底」について概説する.また,講演者は一昨年〜昨年にかけて海外における数学ソフトウェア開発の現場で研究滞在を行ってきた.講演者が研究滞在において学んだこと (アルゴリズムの設計・運用や,計算機を活用する数学研究など) にも触れる予定であり,学生がこれから研究を進めるにあたっての参考になれば幸いである.

後半の概要

後半では,アルゴリズム開発の成果,数学ソフトウェア活用によって得られた成果として,(1) 代数多様体のコホモロジー群への Frobenius 作用の計算アルゴリズム,(2) 「超特別曲線」と呼ばれる特殊な代数曲線の (非) 存在性の決定・数え上げに関する結果,を紹介する.ここで超特別曲線とは,その Jacobian が超特異楕円曲線の直積に閉体上で同型となる非特異曲線のことである.1987年に Ekedahl は標数 p の完全体上の (非超楕円的) 超特別曲線が存在すれば,その種数を g とするとき 2g ≤ p2 - p を満たすことを示すとともに,「各素数 p ≥ 5 に対して種数 g=4 または 5 の超特別曲線は存在するか」という問題を提起した.講演者らは,種数 g=4 の (非超楕円的) 超特別曲線の決定問題をある計算問題に帰着させ,(1) を用いることで,これを解くための代数的アルゴリズムを開発した.さらに,そのアルゴリズムを計算代数システム上で実行することで「標数 p=7 では種数 4 の超特別曲線は存在しない」という結果を得たのでこれを紹介する.また,講演者らによる種数 4 の超特別曲線の (非) 存在性の決定・数え上げに関する研究の最近の進展状況も報告したい.なお,本講演で紹介する (2) は横浜国立大学の原下秀士氏との共同結果である.

世話人: 原 隆

第4回講演会     2017年6月30日 (金)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

森本 和輝 氏   (神戸大学大学院理学研究科)

講演題目

次数 2 の Siegel モジュラー形式の L 函数の中心値の明示公式について

講演概要

Boecherer は次数 2 の Siegel モジュラー形式に対して,スピノル L 函数の中心値と Special Bessel 周期とを結ぶ明示公式を予想した.この予想は楕円モジュラー形式の場合の Waldspurger 公式の一般化と考えられる.本講演では,Boecherer の予想の証明を与える.この結果は古澤昌秋氏(大阪市立大)との共同研究に基づくものである.

世話人: 並川 健一

第5回講演会     2017年7月18日 (火)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

佐久川 憲児 氏   (京都大学数理解析研究所)

講演題目

ポリログに関する Zagier 予想の p 進類似物について

講演概要

ポリログに関する Zagier 予想とは, 代数体の高次レギュレータ写像をポリログを用いて記述するというものである. この予想の弱いバージョン (WZPC) は de Jeu により解決されている. 2000年代前半に Besser と de Jeu は WZPC の p 進類似物を定式化し,部分的な結果を得た. 本講演では, Besser–de Jeu による WZPC の p 進類似物について概説し, 講演者が得た結果を紹介する.

世話人: 原 隆

第6回講演会     2017年10月6日 (金)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

大橋 久範 氏   (東京理科大学理工学部)

講演題目

エンリケス曲面の自己同型とエントロピーについて

講演概要

ここでのエントロピーというのは空間 X 上の自己写像 f に対して定義される,その写像の「複雑さ」を表す量であり,空間がコンパクトケーラー多様体の場合には f のコホモロジー作用を経由して計算することができる (Gromov-Yomdin theorem).X が代数曲面の場合には,現れるエントロピーは Salem 数という非常に特別な代数的整数と密接な関係がある.この講演では,エンリケス曲面上の自己同型写像について一般的にわかった事柄を説明し,エントロピーの分布問題への応用を紹介する.名古屋大学の松本雄也さんと,Jagiellonian 大学の S. Rams さんとの共同研究.

世話人: 三鍋 聡司

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