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東京電機大学 数学講演会

Tokyo Denki University Mathematics Seminar

2018年度   最終更新日:

東京電機大学 工学部・未来科学部・システムデザイン工学部 数学系列では,この度「東京電機大学数学講演会」を開催することとなりました.

不定期に開催しています.講演によって 講演会場 (教室) や講演時間帯が変更となる場合があります ので,講演会に参加される際は各回の講演会場を良くご確認の上お越し下さい.また,講演会の世話人は毎回変わりますので,個別の講演会に関するお問い合せは担当の世話人宛にお願い致します.

次回以降の講演会

※ 東京電機大学の時間割変更に伴い,講演会の実施時間が変則的となっております のでご注意下さい.出席予定の講演会の 実施時間帯を直前に確認されることを強くお薦めいたします

第9回講演会     2018年12月18日 (火)   17:30 — 19:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

小関 祥康 氏   (神奈川大学理学部)

講演題目

アーベル多様体のねじれ部分群と Lubin–Tate 拡大

講演概要

p 進局所体 k の素元 π に付随した Lubin–Tate 拡大を k (π) / k とする.

本講演では「任意の p 進局所体 KK 上定義された任意のアーベル多様体に対して,その Kk (π) に値をとる有理点の成す群のねじれ部分群が有限となる」ような (k,π) に対する十分条件を与える.潜在的に良い還元を持つアーベル多様体に話を限定すると条件はより分かりやすくなり,その特別な場合として1975年の今井秀雄氏による円分 Zp 拡大に関する結果が復元される。

世話人: 原 隆

第10回講演会     2018年12月19日 (水)   15:40 — 17:10, 17:25 — 18:55 開催(2講演です)

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館 55502講義室   ( いつもと場所が異なります!! )

※ 5号館5階はエレベーターが止まりません.3階または6階より階段をご利用下さい.


講演者 (前半)

松澤 陽介 氏   (東京大学大学院数理科学研究科)

講演題目 (日本語 / 英語)

代数多様体の自己写像の算術次数 / Arithmetic degrees of self-maps of algebraic varieties

講演概要 (日本語 / 英語)

数論力学系という分野では代数体上定義された代数多様体の自己写像を研究します.射影多様体の有理点の集合上には Weil 高さ関数という,有理点の数論的複雑さを測る関数が定義でき,これはディオファントス問題を研究する上で強力な道具となっています.高次元の数論力学では,高さ関数の自己写像の軌道に沿った増大度を理解することが重要な問題だと考えられています.この増大度を測る量として算術次数というものがあり,ザリスキー稠密な軌道の算術次数は自己写像の第一力学次数に一致すると予想されています.代数多様体と高さ関数の定義からはじめて,算術次数についての最近の結果と関連する話題,自己射の標準高さなど,について講演したいと思います.

Arithmetic dynamics studies self-maps of algebraic varieties defined over a number field. Weil height functions on the set of rational points of a projective variety measure the arithmetic complexity of rational points and are strong tool to study Diophantine problems. In the study of higher dimensional arithmetic dynamics, it is important to understand the growth of height functions along the orbits of self-maps. Arithmetic degree is a measure of the growth rate and it is conjecturally equal to the first dynamical degree of the self-map. Starting from definitions of algebraic varieties and height functions, I will discuss recent results on properties of arithmetic degrees and related topics, including canonical heights of self-morphisms.


講演者 (後半)

Boris Hasselblatt 氏   (Tufts University / 東京大学)

講演題目 (英語)

Increasing the complexity of free particle motion by breaking its mechanical nature

講演概要 (英語)

Starting from free particle motion of a negatively curved surface, a Dehn-like surgery on the phase space produces new flows that retain the contact property of a mechanical flow but no longer have a configuration space and are otherwise unusual and interesting. They are no longer topologically equivalent to a flow of an algebraic nature, and they have faster orbit growth. A like surgery on the purely periodic fiber flow makes it parabolic or hyperbolic, a change from no complexity to polynomial or exponential complexity, respectively. Moreover, in all cases the "contact structure" alone forces similar complexity. Finally, an idea by Vinhage promises a quantification of the complexity increase.

+ 15-minute introduction to chaotic mechanical systems (冒頭15分)
One of the roots of the modern theory of dynamical systems is a question due to Maxwell and Boltzmann from when they founded modern statistical mechanics: is there any initial state in a mechanical system whose evolution over time will go through all possible states of the system? An answer was found in the 1920s, and it can be found in Otemachi. With this began chaos theory. And we will create more chaos in this lecture.

(講演は英語で行われます)

世話人: 植木 潤

今後の開催予定

※ こちらに記載されている講演日時および予定会場は,已むを得ぬ事情等により変更となる可能性がございます.出席される方は,講演会直前に最新の情報をご確認下さい.

過去の講演会

2017年度の講演会の記録は こちら,2016年度の講演会の記録は こちら です.

第1回講演会     2018年5月24日 (木)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

槇山 賢治 氏   (京都産業大学附属高等学校)

講演題目 (英語 / 日本語)

Saito–Kurokawa lifts and the Bloch–Kato conjecture for Hida families / 肥田族の斎藤–黒川リフトと Bloch–加藤予想

講演概要

p > 3 を素数とする.Agarwal–Brown は斎藤–黒川リフトを用いて楕円保型形式に付随する p 進 Galois 表現の Selmer 群の大きさがそれに付随する L 関数の特殊値により下から評価できることを示した.この結果は Diamond–Flach–Guo により定式化された「Bloch–加藤予想の p-part」と呼ばれる予想が成り立つ場合の必要条件である.Agarwal–Brownによる手法を肥田族に対して拡張することを試みて得られた結果を紹介する.

世話人: 並川 健一

第2回講演会     2018年6月7日 (木)   17:20 — 18:50 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

Anh T. Tran 氏   (University of Texas at Dallas)

講演題目 (英語 / 日本語)

Two applications of character varieties / 指標多様体の2つの応用

講演概要 (英語 / 日本語)

In this talk, we will discuss applications of character varieties in the study of hyperbolic torsion polynomials and epimorphisms of knot groups.
  The twisted Alexander polynomial, which is a generalization of the Alexander polynomial, was defined by Lin for knots in the 3-sphere and by Wada for finitely presented groups in the 90s. For a hyperbolic knot, Dunfield-Friedl-Jackson studied the hyperbolic torsion polynomial, which is the twisted Alexander polynomial associated to the holonomy representation of the knot group. Based on huge numerical computations, they conjectured that this polynomial determines the genus and fiberedness of the knot. Namely, the hyperbolic torsion polynomial has degree equal to 4𝑔–2, where 𝑔 is the genus of the knot. Moreover, the knot is fibered (i.e. its complement in the 3-sphere is fibered over the circle) if and only if the polynomial is monic. In this talk, we will explain the hyperbolic torsion polynomial and the current status of the conjecture.
  Epimorphisms of knot groups are used to define a partial order on the set of prime knots. A first step in understanding this order is to determine its minimal elements. In this talk, we will explain how character varieties can be used to find some families of minimal elements.

この講演では,双曲的トーション多項式と結び目群の全射準同型の研究への指標多様体の応用について論じる.
   捩れアレクサンダー多項式は,アレクサンダー多項式の概念の一般化であり,3次元球面に対しては Lin によって,有限表示群に対しては和田によって1990年代に定義された.双曲結び目に対しては,Dunfield–Friedl–Jackson が双曲的トーション多項式,すなわち結び目群のホロノミー表現に付随する捩れアレクサンダー多項式を研究した.膨大な数値計算に基づき,彼等はこの多項式が結び目の種数やファイバー性を決定することを予想した.より詳しくは,結び目の種数が 𝑔 であるとき,双曲的トーション多項式の次数は 4𝑔–2 であり,さらにはその結び目がファイバー結び目である (即ち3次元球面に於ける補空間が円周上のファイバー束となっている) ことは双曲的トーション多項式がモニックであることと同値であると予想した.本講演では,双曲的トーション多項式と彼等の予想の現状について解説する.
   結び目群の全射準同型は,素結び目の集合上に半順序を定義する際に用いられる.この半順序を理解するための最初のステップは,その極小集合を決定することである.本講演では,この半順序集合の極小元の或る族を発見する際に指標多様体がどのように役立つかを解説する.

(講演は英語で行われます)

世話人: 植木 潤

第3回講演会     2018年6月22日 (金)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

伊藤 和広 氏   (京都大学大学院理学研究科)

講演題目

有限体上の K3 曲面の CM lifting とその Tate 予想への応用

講演概要

アーベル多様体における Honda–Tate 理論により,有限体の代数閉包上のアーベル多様体は,虚数乗法 (CM) を持つアーベル多様体の良い還元と同種であることが知られている.CM を持つアーベル多様体の K3 曲面類似として CM を持つ K3 曲面が定義されるが,本講演では,有限体の代数閉包上の K3 曲面は,CM を持つ K3 曲面の良い還元と同型となること (CM lifting) と,その構成について話す.その応用として,有限体上の K3 曲面の自己積についての Tate 予想を証明する.CM lifting の証明には,M. Kisin 氏による,Hodge 型志村多様体の整正準モデルの中で,有限体の代数閉包に値をとる点は,CM を持つ点の良い還元と同種になっている,という結果の証明に用いられたアイディアと,K3 曲面のモジュライ空間から直交型志村多様体の整正準モデルへの久賀–佐武写像を用いる.本講演の結果は京都大学数学教室の伊藤哲史氏と,数理解析研究所の越川皓永氏との共同研究である.

世話人: 中島 幸喜

第4回講演会     2018年7月3日 (火)   15:40 — 17:10, 17:30 — 19:00 開催(2講演です)

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館45404講義室   ( いつもと場所が異なります!! )

※ 5号館4階はエレベーターが止まりません.2階または3階より階段をご利用下さい.


講演者 (前半)

Nils Matthes 氏   (九州大学大学院数理学研究院 / JSPS)

講演題目 (英語 / 日本語)

An algebraic characterization of the Kronecker function / クロネッカー関数の代数的特徴付け

講演概要 (英語 / 日本語)

The Kronecker function is a meromorphic function of two complex variables which can be expressed as a quotient of Jacobi theta functions. Originally defined by Kronecker, this function appears in contexts such as periods of modular forms (Zagier) and configuration spaces of points on complex elliptic curves (Brown–Levin, Calaque–Enriquez–Etingof, Levin–Racinet,...). The principal goal of this talk is to show how the Kronecker function can be uniquely characterized by means of a quadratic functional equation, the Fay identity. This is a special case of a general identity for the theta functions of algebraic curves, due to Fay. If time permits, we will also explain the relation between the Fay identity and Manin's period relations for modular forms.

クロネッカー関数は,ヤコビテータ関数の商として表現される2変数有理型関数である.最初にクロネッカーによって定義されたこの関数は,モジュラー形式の周期 (Zagier) や複素楕円曲線上の点の配置空間 (Brown–Levin, Calaque–Enriquez–Etingof, Levin–Racinet,...) など,数学の多彩な文脈で登場している.本講演の主たる目的は,クロネッカー関数が「Fay 恒等式」と呼ばれる2次関数等式によってどの程度一意的に特徴付けられるかを示すことである.これは,Fay によって導入された代数曲線のテータ関数に対する一般的な恒等式の特別な場合となっている.時間が許せば,Fay の恒等式と Manin によるモジュラー形式の周期関係式との間の関係についても解説する.

(講演は英語で行われます)


講演者 (後半)

横山 俊一 氏   (九州大学大学院数理学研究院)

講演題目

魅惑の「計算機数学」の世界

講演概要

計算機数学とは,その名の通り計算機を援用して数学の研究を行う諸分野のことである.大雑把に言えばこれらは

  1. 数値計算・シミュレーション
  2. 計算代数・数式処理
の2種類に大別されるが,とくに整数論やその周辺分野においては (2) の技法(または (1) と (2) の hyblid な手法)が用いられる.加えて,近年のコンピュータは革新的な進歩を遂げており,数学の理論と計算機の理論が両輪となることで,より深い研究成果が蓄積されつつある.

この講演では,大学で学ぶ初等的な数学の知識だけを仮定して,計算代数・数式処理の分野の魅力や難しさ,最新の研究成果について概観する(代数学・整数論の話題を主に扱うが,予備知識は全く必要ない).

また,普段はお話することのない,計算代数・数式処理のソフトウェア開発(講演者が現在 commit しているものを含む)に関する裏話も紹介したい.

世話人: 植木 潤 / 原 隆

第5回講演会     2018年7月11日 (水)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

杉山 倫 氏   (日本女子大学理学部)

講演題目

Reciprocity 層のテンソル積の計算

講演概要

Kahn–山崎–斎藤による Voevodsky のモチーフの圏を拡張する仕事の中で,ホモトピー不変層の拡張となる Reciprocity 層が導入された.今回はこの Reciprocity 層のなす圏でのテンソル積について,ある種の K 群による記述を紹介する.ホモトピー不変層に対する Kahn–山崎の結果や Reciprocity 関手に対する Ivorra–Rülling の結果との関係にも触れながら,特に,加法群2つのテンソル積についての計算結果について紹介する.

世話人: 池田 京司

第6回講演会     2018年7月18日 (水)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

北山 貴裕 氏   (東京大学大学院数理科学研究科)

講演題目

トーション多項式関数と3次元多様体の分解について

講演概要

既約3次元多様体を本質的に分解するような任意の部分曲面は基本群の表現空間のある無限遠点から構成される.本講演では,与えられた無限遠点における表現空間上の特別な関数の正則性によって,構成される部分曲面とその境界成分のホモロジー類が制約されることを紹介する.特に,ねじれ Alexander 多項式の最高次係数が誘導する関数の当構成への応用を提示する.

世話人: 原 隆

第7回講演会     2018年9月18日 (火)   18:00 — 19:30 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

伊藤 昇 氏   (東京大学大学院数理科学研究科)

講演題目 (英語 / 日本語)

Goussarov–Polyak–Viro conjecture of knots with degree three and reduced Polyak algebra (joint work with Yuka Kotorii, RIKEN AIP)

結び目の Goussarov–Polyak–Viro 予想と被約 Polyak 代数 (小鳥居祐香氏(理化学研究所 AIP)との共同研究)

講演概要

アブストラクト:結び目について Goussarov–Polyak–Viro conjecture(GPV予想)「knots に対する任意の有限型不変量は long virtual knots の有限型不変量に延長されうる(だろう)」という予想がある.本研究は,最初の非自明な場合である degree 3 の場合を考察した.

GPV 予想は特に次の3つの事実から重要視される.

  1. knots の全体集合が long virtual knots の全体集合へ単射を持ち,かつ,long virtual knots の全体集合が Polyak algebra へ単射がある,という事実.
  2. Polyak algebra は,long virtual knots の全ての有限型不変量を Gauss diagram formula という形で与える,という事実.
  3. knots の任意の有限型不変量(=バシリエフ不変量)は,Gauss diagram formula という表示をもつ,という事実.
講演では予想の解釈の仕方は一通りではないことを指摘し,我々の回答について詳しく述べる予定である.講演は非専門家を念頭に行う.

世話人: 植木 潤

第8回講演会     2018年10月12日 (金)   16:30 — 18:00 開催

講演会場

東京電機大学 東京千住キャンパス   5号館11階 51119B

講演者

越川 皓永 氏   (京都大学数理解析研究所)

講演題目

p 進 Hodge 理論と K3 曲面

講演概要

はじめに,Bhatt–Morrow–Scholze による最近の仕事や Breuil–Kisin 加群といった整 p 進 Hodge 理論について紹介します.その後,K3 曲面への応用について議論します.鍵となるのは久賀佐武構成についての技術的な結果となりますが,より具体的には,K3 曲面あるいはその自己積の Tate 予想,K3 曲面の CM 持ち上げといった応用があります.基礎体の標数が2の場合が今回の中心です.K3 曲面についての結果は伊藤和広氏,伊藤哲史氏との共同研究に基づきます.

世話人: 中島 幸喜

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