Workshop on Submanifold theory in a wider sense

2019年8月5日(月)~6日(火)
東京電機大学東京千住キャンパス1号館2階 1206 教室


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プログラム

8月5日(月)

13:15-14:15 本田淳史 (横浜国立大学)
「混合型曲面の幾何学」
14:30-15:30 橋本要 (大阪市立大学) 
「双複素数拡張による平均曲率零曲面の考察について」
15:45-16:25 落合亮文 (首都大学東京) 
「 A construction of Lagrangian mean curvature flows by generalized perpendicular symmetries」
16:40-17:40 田崎博之 (筑波大学) 
「例外型コンパクトLie群${\rm G}_2$の幾何」

8月6日(火)

10:15-11:15 寺本圭佑 (九州大学)
「双曲空間及びド・ジッター空間内の平坦波面に現れるカスプ辺の幾何的不変量の双対性」
11:30-12:30 橋永貴弘 (北九州高専) 
「根付き木を用いた等質ラグランジュ部分多様体の構成」
14:00-15:00 藤岡敦 (関西大学) 
「余等質性1の中心アファイン曲面 」
15:15-15:55 軸丸芳揮 (九州大学) 
「Variational problem for anisotropic energy and its discretization」
16:10-17:10 直川耕祐 (広島工業大学) 
「可展面の離散化とその特異点について」


アブストラクト

8月5日(月)

本田淳史 (横浜国立大学)
タイトル: 混合型曲面の幾何学
概要: 3次元ローレンツ多様体内の連結な正則曲面で,空間的点集合と時間的点集合がどちらも空でないものを混合型曲面と呼ぶ. 混合型曲面の光的点は,第一基本形式(誘導計量)の特異点とみなすことができる. 本講演では,特異点を持つ曲面の微分幾何学的研究の手法を混合型曲面に適用することで得られた結果 (非退化な光的点におけるガウス曲率の挙動,ガウス・ボンネ型の定理,等長変形など)を紹介する. 本講演の内容は,神戸大学の佐治健太郎氏,九州大学の寺本圭佑氏との共同研究 (arXiv:1811.11392) とプレプリント (arXiv:1905.03367) に基づく.


橋本要 (大阪市立大学)
タイトル: 双複素数拡張による平均曲率零曲面の考察について
概要: 平均曲率零曲面の型変化と折り目特異点の間の関係性について、 双複素数に拡張した視点からの考察について紹介したい。 本講演の内容は加藤信氏(大阪市大)との共同研究に基づく。


落合亮文 (首都大学東京)
タイトル: A construction of Lagrangian mean curvature flows by generalized perpendicular symmetries
概要: We show a method to construct a Lagrangian mean curvature flow from a given special Lagrangian submanifold in a Calabi-Yau manifold by generalized perpendicular symmetries. We use moment maps of the actions of Lie groups, which are not necessarily abelian. We construct some examples in $\mathbb{C}^n$ by our method.


田崎博之 (筑波大学)
タイトル: 例外型コンパクトLie群${\rm G}_2$の幾何
概要: 講演内容は田中真紀子さん保倉理美さんとの共同研究に基づいている。 例外型コンパクトLie群${\rm G}_2$は八元数の自己同型群として定義される群である。 この具体的記述を利用して、幾何学的観点から極大対蹠部分群を決定する。 その議論の途中で${\rm G}_2$から定まる例外型コンパクト対称空間${\rm G}_2/{\rm SO}(4)$の 極大対蹠集合も具体的に記述する。 ${\rm G}_2/{\rm SO}(4)$は八元数内の結合律を満たす部分空間の全体と対応しており、 この観点から${\rm G}_2/{\rm SO}(4)$は$\mathbb{R}^7$内の有向3次元部分空間全体の成す 有向実Grassmann多様体に埋め込まれる。 これらの極大対蹠集合の関係を明らかにし、 その観点から八元数の演算表にFano平面が現れる理由を説明する。


8月6日(火)

寺本圭佑 (九州大学)
タイトル: 双曲空間及びド・ジッター空間内の平坦波面に現れるカスプ辺の幾何学的不変量の双対性
概要: 3次元双曲空間内のガウス曲率が零の曲面を平坦曲面といい, ある種の特異点を許容したものを平坦波面という. 平坦波面にはカスプ辺とツバメの尾がジェネリックに現れることが知られている. 一方,カスプ辺に対して様々な幾何学的不変量が近年定式化されてきている. 本講演では,双曲空間内の平坦波面とそのルジャンドル双対として得られる ド・ジッター空間内の空間的平坦波面に現れるカスプ辺の幾何学的不変量の関係 について紹介する. また,幾何学的不変量を用いたカスプ辺やその他の特異点の特徴づけについても 紹介をする. 本研究は,佐治健太郎氏(神戸大)との共同研究である.


橋永貴弘 (北九州高専)
タイトル: 根付き木を用いた等質ラグランジュ部分多様体の構成
概要: 本講演では非コンパクト型エルミート対称空間内の等質ラグランジュ部分多様体の構成に関する話を紹介する. 一般に非コンパクト型対称空間は, 岩澤分解の可解部分と呼ばれる可解リー群に適当な左不変な幾何構造をいれた空間と同一視される. したがって岩澤分解の可解部分の部分群を考えることで, 多くの等質部分多様体の例を得ることが出来る. 本講演では, ある非コンパクト型エルミート対称空間の場合に, その"岩澤分解の可解部分の部分群作用から得られる等質ラグランジュ部分多様体の構成・分類問題"が "ある性質をもつグラフ(根付き木)の構成・分類問題"に帰着できることを紹介する. なお, 本講演の内容は北九州高専の栗原大武氏との共同研究に基づく.


藤岡敦 (関西大学)
タイトル: 余等質性1の中心アファイン曲面
概要: Euclid微分幾何における回転面に対応する曲面として, 中心アファイン微分幾何において, 余等質性1の非退化中心アファイン曲面を考える. このような曲面は正規形とよばれる特別な形で表されることを注意し, 更に, 固有アファイン球面や中心アファイン極小曲面といった基本的な曲面の場合に, 余等質性が1となるものについて述べる.


軸丸芳揮 (九州大学)
タイトル: Variational problem for anisotropic energy and its discretization
概要: 非等方的エネルギーとは,$\mathbb{R}^{n+1}$内の超曲面の各点における法ベクトルの向きに依存したエネルギー密度の積分で与えられる. このようなエネルギーの,囲む$(n+1)$次元体積が同じ閉超曲面のうち,エネルギー最小解を与えるものは一意的であり,(相似拡大を除いて)Wulff図形と呼ばれる. 非等方特有の現象として,以下のような非等方的エネルギーの臨界点に対する非一意性が成り立つようなエネルギー密度関数の存在に関する結果を得た: $\mathbb{R}^{n+1}$内の自己交差をもたない閉曲面で,非等方的エネルギーに対する臨界点であり,Wulff図形と異なるものが存在する. またこのエネルギー密度を用いて,非等方的平均曲率流に対する非自明な,すなわちWulff図形と異なる自己相似縮小解の存在を示した. さらに,最近進展中である曲線や曲面に対する非等方的エネルギーの,変分問題に基づいた離散化について紹介し,応用としてソフトウェアJavaViewを用いた非等方的平均曲率流の可視化について紹介する.


直川耕祐 (広島工業大学)
タイトル: 可展面の離散化とその特異点について
概要: 3次元ユークリッド空間において, 直線の連続的な運動によって生成される曲面であって, そのガウス曲率が零である曲面を可展面という. その離散化として,直線の番号付けれた列であって, 隣接する番号のどの2直線も同一平面上に横たわるものを考える(cf. Sauer, 1970). 本講演では,このようにして得られる離散的な可展面の位相幾何的な性質と, その上に現れる「特異点」について報告する. 本講演は,ウィーン工科大学の Mueller 氏との共同研究に基づく.

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