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東京電機大学 数学講演会

Tokyo Denki University Mathematics Seminar

2022年度

不定期に開催しています.講演によって 講演会場 (教室) や講演時間帯が変更となる場合があります ので,講演会に参加される際は各回の講演会場を良くご確認の上お越し下さい.また,講演会の世話人は毎回変わりますので,個別の講演会に関するお問い合せは担当の世話人宛にお願い致します.

次回以降の講演会

2022年度の東京電機大学数学数学講演会は終了しました.講演者の皆様,ご参加いただいた皆様に厚く御礼申しあげます.

過去の講演会

2023年度の講演会の記録は こちら,2020年度の講演会の記録は こちら です.

第1回講演会     2022年10月19日 (水)   16:00 — 17:00 開催

講演会場/Place

東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室

講演者/Speaker

清水 達郎氏  (東京電機大学)

講演題目/Title

配置空間積分をいくつかの視点から観る

講演概要/Abstract

配置空間積分は,与えられた多様体のいくつかの直積(配置空間)の上で適切な積分を実行することによって元の多様体の情報を取り出す手法である.実際に結び目や3次元多様体などの不変量が豊富に得られることが知られている. 積分は一種の局所化を経て数え上げの問題に帰着することができ,配置空間積分はMorse homotopyとよばれる技術に昇華する.また,写像の特異点論やコボルディズムといった視点からも配置空間積分を解釈することができる.本講演ではいくつかの視点による配置空間積分の理解,そしてそれらにまつわる講演者の研究について紹介する.

世話人: 千田雅隆・並川健一

第2回講演会     2022年10月19日 (水)   17:10 — 18:10 開催

講演会場/Place

東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室

講演者/Speaker

並川 健一氏  (東京電機大学)

講演題目/Title

Whittaker周期とL関数の特殊値の代数性

講演概要/Abstract

GL(n)のコホモロジー的尖点的保型表現に対し, Whittaker周期と呼ばれる複素数が定義され, このWhittaker周期とKazhdan-Mazur-Schmidtによる一般化モジュラー記号法に現れる周期積分との比が代数的であることが示されている. 本講演ではこの周期積分の明示的研究が, L関数の特殊値の代数性, p進L関数の構成に応用されることを概説する. とくにGL(n)×GL(n-1)のRankin-Selberg L関数の臨界値の代数性, Whittaker周期のモチーフ論的な解釈について得られた結果を紹介する. (原隆 (津田塾大学), 宮崎直 (北里大学)との共同研究.)

世話人: 千田雅隆・並川健一

第3回講演会     2022年11月9日 (水)   17:00 — 18:30 開催

講演会場/Place

東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室

講演者/Speaker

坂本 龍太郎氏  (筑波大学)

講演題目/Title

transverse local conditionと保型形式の合同

講演概要/Abstract

MazurとRubinはEuler系の理論をより深く理解するためにKolyvagin系を導入した。 Kolyvagin系の理論ではtransverse local conditionと呼ばれる局所Galoisコホモロジーの部分群が重要な役割を果たす。 本講演では、保型形式に付随するGalois表現に対して、transverse local conditionの"数論的な意味づけ’’について紹介する。 また、その結果得られたSelmer群の階数に関する定理や、加藤のEuler系が満たすべき合同式に関する予想について紹介する。

世話人: 千田雅隆・並川健一

第4回講演会     2022年11月30日 (水)   17:00 — 18:30 開催

講演会場/Place

東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室

講演者/Speaker

伊藤 和広氏  (東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)

講演題目/Title

プリズム上の G-ディスプレイとその変形理論

講演概要/Abstract

ディスプレイはある種の環(Witt 環など)上のフロベニウス作用とフィルトレーション付きの加群であり,Zink によって p可除群を分類するために導入された. 近年,p 進整数環上の簡約群 G に対し,Lau はディスプレイを一般化したG-ディスプレイと呼ばれる概念を導入した. この講演では Bhatt-Scholze の意味でのプリズムに対し,Lau のアプローチに従って G-ディスプレイを導入する. Gが一般線型群の場合,G-ディスプレイはディスプレイまたはある種の Breuil-Kisin 加群とみなせる. 主結果としてプリズム上の G-ディスプレイに対する変形理論を説明し,いくつか応用を挙げる. 特に,応用の一つとして Kisin (奇素数 p)と Lau (p=2) によって得られた p 可除群の分類定理の,変形理論を用いた別証明を紹介したい.

世話人: 千田雅隆・並川健一

第5回講演会     2023年2月16日 (木)   17:00 — 18:30 開催

講演会場/Place

東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室

講演者/Speaker

Shih-Yu Chen 氏  (京都大学)

講演題目/Title

Period relations between the Betti--Whittaker periods for GL_n under duality

講演概要/Abstract

In this talk, we introduce our recent work on a relation between the Betti--Whittaker periods for GL_n under duality. More precisely, let Π be a regular algebraic cuspidal automorphic representation of GL_n(A). Associated to Π, Mahnkopf defined a period p(Π,ε) for each admissible signature ε by comparing rational structures given by the global Whittaker model and by the isotypic component in the cuspidal cohomology of GL_n. Under some regularity conditions, we prove a period relation between p(Π,ε) and p(Π^∨,ε). As a consequence, we obtain the trivialness of the relative period associated to a regular algebraic cuspidal automorphic representation of GL_{2n}(A) of orthogonal type, which implies the algebraicity of the ratios of successive critical L-values for GL_{n'} × GSpin_{2n}^* by the result of Harder and Raghuram.

世話人: 千田雅隆・並川健一

第6回講演会     2023年3月9日 (木)   16:30 — 18:00 開催

講演会場/Place

東京電機大学 東京千住キャンパス 5号館11階 51119B室

講演者/Speaker

小田部 秀介氏 (東京電機大学)

講演題目/Title

射影Suslin複体の0次ホモロジーについて

講演概要/Abstract

通常のSuslin複体の定義においてアフィン空間を射影空間に置き換えて得られる複体を考える。 固有非特異代数多様体に対してはその0次ホモロジーがZariski層化の違いを除いて元の0次Suslinホモロジーに一致することを示したのでその証明の概要についてお話ししたい。 帰結としてP^1不変な移送付きNisnevich層(例:ケーラー微分加群、ブラウアー群、不分岐対数的Hodge-Wittコホモロジー)が固有非特異代数多様体に対しては安定双有理不変量を与えるということが言えるのでそれについても背景や先行研究も含めてお話ししたい。 本研究は甲斐亘氏(東北大学)と山崎隆雄氏(中央大学)との共同研究である。

世話人: 千田雅隆・並川 健一

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