B パーセプションギャップの抽出と比較分析
3-1:海外への関心度
日本人の米国留学への関心度、米国人の日本留学への関心度を比べると、日本 からの関心度が2割ほど全体的に上回る結果となりました。特に性別における差 異が顕著に見られ、日本の女子学生の米国留学熱が高いのとは対照的に、米国女 性の日本への関心度が低いことがはっきりと出ています。
あなたは次の外国語の中で最も身につけたいものはどれですか?
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What foreign language would you like to learn most?
習得したい外国語は日本では圧倒的に英語が多く、1割近くの希望があるのは中 国語とフランス語で、男子学生に中国語、女子学生にフランス語を選ぶ傾向が見 られます。 希望取得学歴別では、大卒以上を希望する者に、中国語を選ぶ割合が 英語を選ぶ割合と同じ35%という数字が出ている点は、今後の日本経済の動向を 強く意識した結果ではないでしょうか。
米国で人気がある外国語はスペイン語、フランス語、ドイツ語の順であり、こ の結果は他のここ20年前後の調査と同様の結果です。 ただし、NW高校では、仏 語、独語がスペイン語よりも多い結果となりましたが、それはカナダ国境に近く ヒスパニック人口の比率が極端に低く、北欧系の住民が多いという地理的な理由 からでしょう。 公立I高校では日本語が学べるので、「その他」の26%には日本 語が含まれていると思われます。
訪問したい国に関する質問では、ヨーロッパを選ぶ者が日米両国とも半数以上 を占め、他の地域を引き離しています。 日本の場合には観光はヨーロッパ、留 学はアメリカという選択を考える者もいるようです。 また、日本の大学生が北 米よりもアジアを訪問したい国としてあげている事は、興味深い点ではないでしょ うか。
米国人の祖先の4分の3が欧州の出身であるにせよ、日本人の欧米指向が強い割 には、米国人のアジアに対する関心は極端に低いと言わざる得ません。 選択肢に 「オセアニア<Oceania>」と表記したのは明らかにわれわれ調査者側の間違 いでした。 日本人もさることながらほとんどの米国人にはこれがオーストラリ アやニュージーランドを指すことが理解されなかったからです。 オーストラリ ア/ニュージーランドという選択肢にしていたら、豪州への数値が格段上がって いたであろう事は容易に推測されます。