3-3:歴史/国旗/国歌や National identityに関して
このところ、日本の学生の政治に対する関心の低さがしばしば指摘されていま す。 しかし、政治に関心を持つには、ある程度自国の歴史の流れがつかめなけ れば、全体の動きが把握できない事は明らかです。 米国では十数年前まで「ア メリカ史」が大学の一般教養の必修科目でした。 現在でも専攻に関係なく「ア メリカ史」を履修する学生が多いのが実情です。
日本では「愛国心」というだけで偏向とされがちで、健全な国家観や日本人像 を構築しにくい社会や教育の現状があります。 そこでNational Identityに関 連する質問として国旗等に対する思いの日米間の相違を探ったところ、見事な対 比を見ることができました。
一言で述べるならば、日本人の歴史への関心度はお粗末なほど低いということ です。 高校生の間では関心がない者が7割近くになり、大学でも半数以上のも のが関心を持っていません。 米国人の関心度は日本のざっと二倍で、高校生の 段階から高い関心があるのは、受験がないことの恩恵かもしれません。 日本で は大卒以上学歴取得希望の者が、歴史に関心がないとする比率が高く、なお一層 事態が憂慮されます。
あなたは日本の近代史(明治以降)に関心がありますか?
Are you interested in US History?
Do you like your national anthem? (Japan/US)
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国旗に対しては米国人の9割以上が愛着を持っているのに比べ、日本では半減 しています。 国歌となるとこの差は更に広がり、国歌が好きなアメリカ人は89% であるのに対し、国歌が好きな日本人は 23%にすぎませんでした。
日本の国歌が全く好きではない人が3分の1以上おり、回答者の8割近くが国 歌を好んでいないという現状がはっきりとデータとして見られました。
日本では高校/大学、取得希望学歴/性別に関係なく一様にこの傾向が見られ ます。 一方、米国では保守的な地域であるM大学では国旗にかなりの愛着があり、 国歌が大変好きであるとの回答が目だって多く、学園町にあるI高校では「かなり」 「大変」といったveryの部分が落ち、好き加減や愛着度がやや下がる傾向がある 事は、米国内の地域差や所属階層などによって愛国心に関しても微妙な差異があ ることがわかります。