3-4:日米相互の相手国家のイメージ
両国の互いの国家に対する位置付けは、日本側からの思いいれの強さと、米国 のそれには大きな差異が見られます。
ニュースに占める相手国の情報量に象徴されているように、日本にとっては最も 重要な相手国である米国と、米国にとっては先進諸国のone of themである日本 の位置づけには、相手国に対する大きな認識のギャップが存在することは容易に想 像できるところです。
このような認識の差異については、相手国を「単なる同盟国」であるとするクー ルな受け止め方が日本では11%であるのに対して、米国では36%であることにも はっきり表われています。
Japan
US
日本にとって最も大切なパートナー
(America' best partner)
136
15
身近な友好国
(a close friend)
239
140
単なる同盟国
(just one of America's allies)
59
152
競争相手
(a competitor or rival)
61
90
利己的で非協力的な国
(a selfish or uncooperative country)
46
20
日本の大学生が相手をライバル視したり、「利己的で非協力的な国」と見る度 合が多いのは、この大学が理系であることと関係があるかもしれません。 今日 のハイテク産業界における米国の位置は揺るぎのないものとなっており、自動車 産業などで米国を圧倒していた日本の産業技術もいまやハイテクを中心にアメリ カをライバル視する傾向が強いからです。
これはアメリカ製品の見方にも反映しています。 日本の理系の大学生はアメ リカ製品に対する評価が低く、日本製よりも質の点で劣っていると回答し、アメ リカ製の方が優れているとしたものは1割にも達していません。 全体的に米国 人のmade in Japanに対する評価は高く、かつてあった日本製は安物のイメージは とうに払拭され、日本製は品質保証の代名詞になりつつあるのが実態のようです。