4-2: カリキュラムおよび学校の成績
「あなたは現在学校で学んでいることが、将来あなたが目指していることに直 結し、役に立つと思いますか」という問いに対し、米国では9割以上のものが 『役に立つ』と答えています。 高校でも大学でも米国の学校教育全体が実学的 指向を強く持っている事を窺わせる結果となっています。
日本では公立高よりも私立高、高校よりも大学でその「実学」度が評価され、 しかし日本の大学の場合、その対象がT大学といった理科系の大学であり、文科 系の大学に比べ実学的カリキュラムがなされていることを考慮すると、日本での 平均値は更に悪いことが予想されます。
特に公立高では6割の者が「役に立たない」としている点では、公立高校教育 の内容が、如何に学生のニーズや社会的需要から乖離し、その内容の見直しが必 要かが理解できます。
これは学歴は高卒でよいとする者の24%しか「役に立つ」と答えていないこと からも言えることではないでしょうか。もっとも、日本の大卒、大学院以上の学 歴取得を希望する者の間でも、「役に立つ」と答えた者は44%にすぎないので、 「何を教えるか」という点では、日本の教育制度は抜本的な見直しが迫られてい るようです。
Do you think what you have learned in school will be useful and relevant
in what you would like to accomplish in the future?
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「あなたは現在の学校で評価されている成績が、あなたの能力を正当に反映し ていると思いますか」という設問に対しては、日米で全く同じパターンの結果が 出ています。 自らの能力に関する他者の評価に対しては、普遍的なパターンが あることは、将来の学歴取得希望と合わせても全く相関関係がなかったことから も、言えそうです。