4-5:授業の理解度
Comprehending Classroom Instruction (Japan/US:School)
実数100%
75%
50%
25%
less 10%
Nihombashi H
98
0%
21%
41%
24%
15%
Seitoku Girl
’s H248
2%
23%
46%
21%
9%
Tokyo Denki U
140
1%
25%
43%
23%
8%
Japan Total
540
1%
24%
44%
21%
10%
Northwestern H
76
20%
64%
12%
3%
1%
Iowa City H
47
40%
47%
6%
4%
2%
Macon St U
267
20%
64%
12%
4%
0%
US Total
418
22%
61%
12%
4%
1%
授業は理解できるもの、理解させるもの、というのが大前提であるはずにもか かわらず、日本のカリキュラムは受験制度も絡み、生徒の理解度とは関係なく組 み立てられることが多いのが実態ではないでしょうか。 大学教育もこの種の学 生に対する教育のサービスの質や教育内容の定着率の問題を抱えているようです。
日本の学校教育の場合、カリキュラムという外見と器は大層立派に出来上がっ ているのですが、肝心の学習者が置き去りにされているといった実態を、この データーは浮き彫りにしています。
今回の調査では、日本では授業の中味の 3/4 がわかると答えた者が 1/4にす ぎず、残りの4人に3人が半分以下しかわからないという惨澹たる結果でした。 このような惨状が放置されてよいはずはありません。
日本では「授業とは難解なものである」といった迷信(?)が横行し、授業内容 がわからなくても、ただじっと我慢して座ることが強要されているのではないで しょうか。
授業そのものを十分に理解することよりも、与えられる知識を丸暗記し、生き た知恵としてではなく、試験をクリアするために便宜的に暗記しすぐに忘却して しまうといった不毛な教育文化が教師・生徒両者の間に根強いことが、この調査 によっても裏付けられています。
米国では日本と全く対照的な結果が出ています。 すなわち、授業内容が75% 以上理解できると答える者の数が83%にも達しているのです。
学園町にある公立I高校では、4割ものの生徒が100%授業内容が理解できると 答えています。 ちなみに日本で「100%理解できる」と答えたものは全体の1% にも達していないのが実情です。
What percentage of classroom instruction do you
think you usually comprehend? (Japan/US)
以前、同様の日米比較調査では、教員側にも「あなたの教えている授業を生徒 はどれくらい理解していますか」と尋ねた事がありましたが、米国では8割以上 の教員が生徒は授業を8割以上理解していると答えたのに対し、日本では自分の 授業を5割以上理解していると答えた教員は5割にも満たないと言う結果が出た ことがあります。
つまり、最初から米国では「授業は理解するもの」という前提があるのですが、 日本では必ずしもそのような意識を持っていないという学校文化の違いも、この 結果に大きく反映していると推測されます。
このような教育に対する教育者の意識の差異や教育内容の形骸化は、日米間に おける教育効果に決定的な差異をもたらしている恐れがあるでしょう。 学生全 体の1割程度しか満足に理解できないような学校教育では、学校教育そのものの 存在意義や、社会における認知度に決定的な違いを生じてしまう恐れがあると言 えるでしょう。